・小泉流改革をできるところまでやり遂げようという思いが強く現れた布陣だ。改革は三位一体といわれる地方分権もまだまだだし、年金医療改革も国民の合意ができていない。やらなければならないことがいっぱいあることは国民もわかっているし、きちんとやってほしいという思いもある。だから、改革をやろうという姿勢自体は多くの国民が評価していると思う。
・だが、高齢化が猛烈に進む一方、支え手の若者が減るのだから、負担増の問題は避けることができない。高齢者を捨てるのか、それともある程度の負担増しか選択肢は残っていない。実際に消費税増税というかたちできたときに国民がどう出るか、1年先にはそれが待ったなしの課題になる。それまでに国民の理解度をどれだけ深められるか。この内閣のまずもっての課題になる。
・それには幅広い視点に立ったいろいろな政策を動員しなくてはならない。単に社会福祉の問題だけでなく、たとえ外国から働き手を受け入れるというような移民政策とか、高齢者が元氣で働ける仕組みをどうつくるかというような。そこまで方向性を出して、全部動員してもこれだけの負担がかかる、さてどうしますかという道を選択肢とともに示すことが必要だ。野党、とくに民主党の責任も重い。
|