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定期連載 挑戦−幸福づくり
更新日:2005年9月16日
寄附の持つ意味

 寄附して応援したい活動はたくさんあるが、現実に寄附するのは数えるほどしかない。 身銭を切るというのは、よほどのことである。
 一つは、何としてもその活動をしてほしい(活動の対象を救ってほしい)と願う時である。もう一つは、寄附しないとその活動が続けられないと確信できる時である。

 認定NPO法人(これに対する寄附金は税が免除される)になる要件は、いわゆるパブリックサポートテストに合格することであるが、そのテストは、右に述べたような寄附金の性質を考慮してつくられたものである。もともとはアメリカの税法が採用しているもので、その考え方を単純化していえば、一般の人々(パブリック)が寄附金を出して支持している(サポート)ような団体の活動は、一般の人々に有益なものだからその寄附金については税を課さないことにして、寄附しやすくしようということである。
 日本のNPOについてもこのテストを取り入れたのであるが、テストの要件を不必要、かつ無思想に厳しくしたため、2万を超えるNPOのうちわずかに34しか認められていない。
 今度の公益法人改革で、新公益法人はすべて寄附金に税を課さない措置を採る方向が決まって、これに連動して、NPO法人のパブリックサポートテストも見直されることとなった。今年中にその概要が決まると予測されるが、見直しに当たっては、ぜひ民間のいい活動にもっと寄附が集まるようなテストにしてほしい。それには、寄附の意味をしっかり理解してほしいのである。
 もしその事業が、NPOや公益法人がやらなくても株式会社でやれるような事業ならば、一般の人々は寄附はしない。寄附しなくても、頑張って儲ければいいだろ、ということである。
 また、もしその事業が、人々にとってよほど必要で有益なものでなければ、一般の人々は寄附しない。寄附を集めなければやっていけない事業でも、一般の人々に身銭を切ってもらうだけの魅力を失えば、たちまち寄附は集まらなくなってしまう。
 実態がそのように厳しいのだから、その事業の必要経費のうち、ほんの1、2パーセントの寄附金でも、これがなければその事業がやれない(赤字になる)という時は、その寄附に課税しない。そういうテストの方式にするべきである。
 そして、大切なことは、ボランティアの無償協力分を寄附と扱うことである。
 これによって、認定NPO法人は、新公益法人並みの寄附金優遇を受けることができるであろう。

(『さぁ、言おう』2005年8月号)
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