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定期連載 暖流
更新日:2014年7月26日
支え合いマップの力
 京都御所の東側に位置する春日学区で、故高瀬博章さんが始めた災害時の助け合いマップは、地域福祉の世界では全国的に有名である。このマップは、京都ではあまり他の地区に広がっていないようであるが、鹿児島県では、地域の支え合いマップが、かなりの勢いで全県下に広まっている。
 広めているのは県の社会福祉協議会で、平成22年から「高齢者等要援護者地域生活総合事業」として始めた。事業の名前は長いが、要するに名前のとおりの目的の事業である。
 奄美大島大和村の名音(ルビ:のん)集落に住む重野弘乃さんらの助け合い活動も、支え合いマップづくりから広がった。約30年に及ぶ福祉の仕事を終えた彼女は、「出来る時に出来ることをする」などの精神で、のんティダの会を立ち上げた。ティダというのは、奄美大島の方言で「太陽」のことだそうな。男性8名、女性7名でスタート、地域の助けが要る人々をみんなで地図に書き込むうち、いろいろな地域活動が自然に生まれた。Iターン、Uターンの人たちの「つながりがほしい」という声から「のんティダ喫茶」や「三味線・島唄教室」(子どもの部と大人の部)が生まれ、一人暮しの不安の声から、無事な時には玄関先に幸せの黄色い旗を立てる見守り活動が生まれ、会の資金づくりを兼ねて野菜つくりや花の栽培も始めた。閉じこもりの人も居場所に来るようになり、料理好きの人が料理を持ってくるなど、それぞれが特技を生かして、地域全体が明るくなった。「世話焼きさん」の重野さんの魅力に引かれるせいか、男性の参加者も多い。
 県内の他の地域でもマップづくりの効果は大きく、車上生活者が居場所に出てきたり、異国籍の人が地域の行事に参加したり、子育てサロンが自主的に始まったり、ウォーキングクラブが生まれたりしている。
 地域の助け合いは、課題を共有することから始まり、解決するための協力から生まれる共感の力で発展していくのであろう。
(京都新聞「暖流」2014.7.20掲載)
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2014年 4月 3日 「どうも」に「がばちょ」
2014年 3月19日 葬儀まで
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