地域の助け合い活動を創り出す協議体の構成員を、どのようにして選べばよいのか。住民をリードできる人材の発掘は難しく、良心的な自治体ほど苦労している。
さわやか福祉財団は一つの方法として、フォーラムを活用している。
しっかりした協議体構成員を選びたいと望んでいる自治体と協力して、自治会、町内会の活動者やNPO活動のリーダー、地区社協の役員、民生・児童委員など、協議体構成員の候補者たちを対象にしたフォーラムを開催する。
そこでまず、昨年始まった新しい地域支援事業、特に要支援者等の生活を地域の助け合いで支えようとする事業の意義の大きさを説明する。日本でまだまだ乏しい互助の活動を広げていかないと、介護などの保険制度が財政的に成り立たなくなること、互助の活動を広めるために生活支援コーディネーターと協議体を全市町村に設置することになった今こそ、市民、住民が互助を一段と深めるチャンスであることの理解を共有する。
その上で、この地域の目指す地域像は何か、逆にいえば足りない助け合い活動やサービスは何かを聞いていく。足りない活動などを、初期段階だから大きく、[1]地縁活動(自治会などの助け合い)[2]居場所創り[3]無償のボランティア活動[4]有償のボランティア活動に分ける。そしてそれぞれについて(1)その活動が地域にあるか(2)地域住民はその活動を求めているか(3)あなたはその活動を創り、運営するのに参加するか(4)あなたはその活動を創る音頭をとる協議体の構成員になるか(又は構成員に協力するか)と問い、フォーラム出席者に挙手で答えてもらう。(3)(4)の挙手者には、参加する活動の種別と氏名、連絡先をアンケートに書いて提出して頂く。貴重な活動参加者であり、自治体にとっても誠に有り難い方々である。
すみやかにこの情報を生かして、地域ごとに学習会を開き、協議体の構成員を選ぶ。それと共に、その学習会で、担い手たちとどのようにしてその活動を創り出すかの協議を開始したい。そこから地域住民とのきめ細かなワークショップに展開するのが王道だろう。
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