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提言 福祉・NPO・ボランティア
更新日:2019年8月22日
認定介護福祉士

 京都は青春時代の思い出に満ちたわが故郷である。

 だから、福祉・ボランティアの世界に転じてから28年、京都で時代を先取りするいい動きが始まると、誇らしく感じてきた。

 1990年代冒頭から広がり始めた京都御所に隣接する春日学区の地域連携活動は、最も先駆的な民間の自主的、主体的活動である。

 東九条の鴨川沿いに建つ尹基さんの「故郷の家」は在日コリアンと日本人のお年寄りが共に暮らす共生のホームで、早くから地域の方々とつながっている。

 精華町で認知症者と子どもたちを結び付けているキャラバンメイト連絡会はじめ、訪ねてみると、京都府下には、京丹後市、宮津市、福知山市、綾部市、亀岡市、宇治市など、それぞれに感動的な住民の助け合い活動が展開されている。

 居場所は、2002年に亡くなった京都大学の建築学部の外山義教授の提案が全国で受け止められて広がり始めたものである。左京区でハルハウスを開いた丹羽國子さんは、先駆者であり、その後居場所は門川大作市長が始めた支援によりその数を増やしている。

 岩倉の宇津崎光代さんが全国に広めている住育の家も、家族同士や来訪者とのつながりを深める、画期的な構造の住まいである。

 いい動きはいっぱいあるのに、京都の特徴は、いい動きが必ずしも横に広がっていかないことである。新潟市の「地域の茶の間」や富山市の「このゆびとーまれ」が全市に広がっているのがうらやましい。

 この9月に大阪で開催する「いきがい・助け合いサミット」では、北大路の総合ケアセンター代表者山田尋志さんが京都市の担当課長と分科会に登壇し、市が先駆的に取り組んでいる認定介護福祉士など介護人材の育成について話される。

 認定介護福祉士は、介護施設を地域に開く役割も担う新しい資格である。着実に横に広がっていくよう、京都府下からサミットに申し込みいただいた170名の志ある方々に山田さんの分科会をのぞいてほしいと願っている。

(京都新聞「暖流」2019.8.19掲載)
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