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提言 生き方・その他
更新日:2005年9月16日
あなたは何のために働くのか

 あなたの一生の幸せのために、この際、しっかりと、何のために働くのかを確かめておいてほしい。
 その考え方が、これから生きていくための土台となる。土台がぐらついたままでは、日々の努力が積み上がっていかないし、ふらついてすべり落ちれば、またゼロからの行方定めぬ出発となる。一回限りの人生、時間を無駄にしたくない。
 その仕事が好きで職に就いた人はよい。すでに学校でも、目標を持って勉強してきたことであろう。あなたは、能力においても、人生の充実度においても、目標もなしにただ学生生活を過ごした人たちよりも、相当高いレベルに達している。もちろん、人間社会の中で仕事をしていくわけだから、不愉快なことも山ほど起きるし、挫折することもあろうが、きっと頑張り通せるだろう。
 漠然と学び、何のために働くのかはっきりしないまま就職した人は、前途がきびしい。このままだと、嫌なことに出会った時、我慢できずに辞めて、フリーター(能力は学生並み)のまま40代、結婚してくれる人なし、となる可能性がかなりある。

四つの考え方
(一) 金を稼ぐために働くのだと割り切る考え方もある。したいことが別にあって、そのために稼ぐとなれば、必要な金を得るまでは真剣に働くだろうし、より稼げる方へ転職する時も、うまくやるだろう。
(二) 就職した先の仕事は、結構社会に役立っているし、この組織でしっかり働いていこうと腹を決めるのもよい。
もちろんそういう組織はたくさんある。あなたの就職先が、そういう組織であることを祈る。
(三) 働くのは、自分が仕事を楽しみ、仕事を通じて成長していくためだと考える若者が増えてきている。これからの時代に合った考え方である。すでに自分のしたいことをつかんでいる人は、自分の好きな仕事を選んでいるだろう。問題は、自己実現を望んでいるが、その自己が何か、いまだにつかめていない人である。そういう人は、意識的に自分探しをしてほしい。本来なら、それは学生時代にしておくことなのだから。
(四) 仕事を通して自己実現もしたいし、社会貢献もしたいという人もいる。その方向が固まれば、一大成長をするであろう。出世主義者より出世するのが、このタイプである。

 困るのは以上四つのどの考え方でもないというか、何も考えずに就職した人たちである。このコラムが考えるきっかけにになればいいが、そういう人たちが読んでくれているだろうか。

その仕事から何を得られるか

 あなたがどういう考えで仕事をするにせよ、どうせ同じ仕事をするなら、その仕事から何か自分の知識・知恵を得た方が、得である。それは、将来自分に役立つ財産となる。
 嫌な仕事や嫌な上司。自分はなぜその仕事が、あるいはその上司が嫌いかを考えるだけで、自分が発見できる。嫌な原因が分かれば、自分の考え方、感じ方を広めて適応する道も拓けるし、嫌なことを好きなことに変える知恵も出る。ただ逃げるだけでは、あなたは一生社会からの逃亡者で過ごさなければならないだろう。逃げずに観察するだけで、人間や社会について学べることが多い。
 もちろん、人間は感情豊かな生き物であるから、我慢しきれない事態に陥る可能性はあるが、その時も、最低限度、次はこういう職場を選べばうまくやれるという見通しだけは獲得して辞めてほしいと思う。

その仕事にどう自分を生かすか

 どんな考えで仕事をするにせよ、どうせ同じ時間働くのだから、みんなの中であなたがキラッと光る方が、昇給につながるだろうし、気分がいいだろう。
 どうすればキラッと光るのか。それは、あなたのいいところがどれだけその仕事に出るかによると思う。
 あなたはひらめきのあるタイプか、じっくり取り組むタイプか、人の気持ちが読めるタイプか、言われたことをコツコツやるタイプか。
 人はそれぞれに素材が違う。あなたのどこを生かせば、その仕事はよりうまくいくのか。自分の特徴を意識して、それを仕事に生かしてみる。そして、いい形にできたらさりげなく、それを上司などにPRする。
 「あいつはなかなかいいところがあるじゃないか」
 そう言われると、結構気分がよくなるものである。

(にっとく/2004年2月)
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