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提言 生き方・その他

更新日:2019年4月25日

共生の生き方と支援の仕組み

 共生の時代である。さわやか福祉財団も、来る9月9日(月)、10日(火)の両日、大阪で「共生社会をつくる地域包括ケア 生活を支え合う仕組みを実践」という副題で「いきがい・助け合いサミット」を開催する。

 「共生」を目指すとき認識すべきことは、それが人の生き方の問題だということである。自助努力だけで生きようとするのではなく、地域で共に生きている人々のそれぞれの生き方を尊重しつつ、つながり、助け合って生きる生き方を共助といい、自助を基本に共助が重要な役割を果たす社会を共生社会という。

 共助の役割が増えれば公助の財政負担が減るから、行政はその動きを支援する仕組みをつくるが、その際に留意してほしい事項がある。

 その一つは、『人間中心主義』である。

 共助・共生は人の基本的な生き方の問題だから、支援する仕組みも、生き方まるごとを対象とするものでなければならない。従来、行政が視野の外に置いてきた「いきがい」も、それが生き方の基本だから、対象とする必要がある(例えば、上記フォーラムのパネル15「ケアプランに生活支援の助け合い活動及び本人のいきがい活動をどう取り入れるか」江田佳子さん進行)。また、仕組みはタテワリで実施するのでなく、連携して、人間まるごと支援するものであってほしい(例えば、同パネル27「我が事・丸ごとや小規模多機能自治などの地域づくり活動と生活支援活動とをどう結び付けるか」堀田聰子さん進行)。

 その二つは、『住民主体主義』である。

 住民の生き方の問題だから当然である(例えば、同パネル11「行政や生活支援コーディネーター、協議体などによる後方支援、特に補助をどのようにすればいか」服部真治さん進行)。

 その三つは、『地域主義』である。

 人は地域で生き、その地域に住む人々と助け合うのであるから、共助・共生の在り方は地域によって異なる。だからその在り方は、地域ごとに答えを求めていかなくてはならない。

 上記フォーラムは54のパネルを予定しているが、どれも各地で現実に生じている問題に実践的に取り組むものである。一緒に考えましょう。

(「厚生福祉」2019.4.9掲載)

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