コロナ禍が去った後は、そのために築かれた借金の山がずっしりとのしかかってきて、そうでなくてもぎりぎりの福祉のサービスは、いよいよ厳しくなるだろう。コロナ禍は、自粛を強いて人と人との絆にも冷水を浴びせたが、あたたかい助け合いは戻ってくるのだろうか。
ここは、絶対に戻さなければならない。
コロナ禍の後も、日本経済がかつての高度成長期のような元気を取り戻すことはあり得ない。少子高齢化はなおも進み、頂点に達して定常化するからである。
では、未来に希望はないのか。
私たちが生きる価値観を変えれば、みんなが幸福になれる道が開けるだろう。もう、モノの幸せは求めないことである。もちろん生活ができない人については、生活に必要なモノの保障をしなければならない。これは福祉国家において政府が果たすべき最優先の義務である。
その上で、生活に必要なモノがそろったらそれ以上、持ち物の贅沢を競わない。モノの豊かさを人に誇っても、浅簿で一過的な優越感が得られるだけであり、その価値観では、大多数の人が敗北感や未達成感を抱えて生きることになる。
それより、一緒にいるだけで快い仲間と好きなことをして、その腕を褒め合い、仲間が困っている時は自分のできることをして役に立つ方が、どれだけ大きないきがいを得られることか。高齢化が進んだ成熟社会では、幸せはモノの競争では得られず、ココロの充足からもたらされる。
だから、みんなに対して隔たりなくココロの充足をもたらしてくれる助け合いを、絶対に取り戻し、全国に行き渡らせなければならないのである。
さわやか福祉財団は、そのホームページに「地域助け合い基金」をアップした。基金の思いは、「コロナ禍を乗り越えて共生社会へ」。
みんなにココロの充足をもたらす共生社会を、コロナ禍を克服してみんなでつくるため、みんなから寄付を募り、その全額を全国の助け合い活動団体に配るという基金で、常時募金、常時配分に特徴がある。どれだけの人が未来に希望を求めて共生社会づくりに参加してくれるか。
基金を立ち上げた私たちがドキドキしている。
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