1. 今回の選挙で、国民が表明したメッセージは、
特定の集団の利害に引きずられることなく、これまでのしがらみを断ち切って、国民全体の利益のための改善を大胆に進める
ということだと思います。
自民党が大勝し、郵政改革反対の前職議員が苦戦したのも、民主党が大敗したのも、そういうメッセージの表れではないでしょうか。
2. それにしても、民主党はめったにない機会を逃したと思います。
従来のしがらみを断ち切るのは、政権担当の党を代えるのが手っ取り早い方法です。平素は自民党よりかなり支持率が低い民主党が、選挙になると支持率をかなり超える票を集めるのは、しがらみのなさを期待されているからでしょう
なのに、郵政民営化について、郵政関係労組に引きずられ「民営化には賛成だが、法案には反対」という、煮え切らない態度で選挙に臨んだのが国民の大きな失望につながったのだと思います。
3. 自民党政権は、この結果を生かして、国民のためにやらなければならない大改革(大手術)を思い切ってやるべきでしょう。
それは、
●大借金財政立て直しのための経費削減(たとえば、必要な公共事業費であっても歯をくいしばって建設を我慢するなど)
●教育・介護、各種相談など、人に直接役立つ事業の拡大など、労働のあり方及び産業構造の抜本的改革
●社会保障に関する総合的・基本的改革と長期的展望を踏まえた必要最小限の増税
●所得税、消費税を含む財源と行政権限の大幅な地方への移譲
●少子化対策及びアジアとの友好促進のための移民政策の拡大
などです。
4. 一方、民主党も、二大政党の一つとして国民のニーズに応え、政権担当能力をつけるためのチャンスととらえるべきです。政策内容が近い公明党との協力体制を考えてもいいのではないでしょうか。
そのために、一部の集団の目先の人気取りを捨て、国民の基本的ニーズをとらえて、骨太な政策の方向を打ち出してほしいと思います
●総合的社会保障制度の確立
●地方分権
については、自民党をリードする智恵を出してほしい。
そして
●子育て、子育ちの社会的支援
●働くことを選べる社会への転換
●すべての人の能力が生かされる社会実現のため、NPOやボランティアへの支援
などについて、どんどん魅力的な提案をしてほしい。
また、重要な役割として
●平和なアジア、平和な世界の維持・実現
のため、政権が危険な方向に向くのを防止し、積極的平和・友好政策を打ち出すことがあります。
特に、小泉総理退陣後を考えると、民主党の役割は大なるものがあります。国民の期待に応えられるかどうかで、その将来が決まるでしょう。 |