更新日:2010年4月22日 |
居場所はいかが? |
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「素晴らしかった。ここにいたら、日本の国も大きく変わるような気がしてくる」。曽根崎の北方博美さんがアンケートに書いて下さった。去る3月13日、みやこめっせで開いた「ふれあいの居場所普及サミット」に参加してくれての感想である。
「こんなにも多くの人々がふれあいの居場所を求めているのでしょうか」と匿名のアンケートにあったように、居場所がほしい、自分も始めたいという方々が多く、熱気あふれる会となった。うれしい驚きは、すでに始めているという方が30人もおられたことである。
パネルに登壇した実践者4人は、司会の中村順子さんによると「みなアラ還(還暦前後)の熟女」であったが、その1人、阿倍野区の前東ふみ子さんは、「植木の水やり、犬の散歩まで、私たちの助け合いの会に頼まないといけないのはおかしい。もっと近所で友だちをつくり、助け合えるようになれないか」と思って会の事務所に居場所をつくったという。
千本中立売の福島美枝子さんは、「近所の若者が来て野菜をつくりたいと言うので、近所の遊休地で野菜をつくるうち、輪が広がってコミニテ食堂という居場所になった」と言い、二条駅西口の町家を居場所にした小林敬子さんは、「有償ボランティアで障害者用の作業所をするうち、ランチの提供とお弁当の配食もやるようになってご近所とつながり、居場所になった」と言う。前に本欄で書いた九条大宮の増田隆子さんを含め、自然な形で居場所が始まっている。
手前味噌で恐縮至極ながら、阿倍野区の渡辺陽子さんのアンケートに、「堀田先生以外の元気な男性はどこにかくれているのですか」とあった。
事実、全国的に見ても、居場所をやっている方は圧倒的に女性が多い。地域とのつながりが濃いうえ、こうと思えばさっとやってみる行動力の差であろうか。ご同輩、男性も気楽に始めてみませんか。
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(京都新聞コラム「暖流」2010年4月18日掲載) |
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