更新日:2007年5月18日 |
長生きの秘けつ ?
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日野原重明先生、95歳。聖路加国際病院名誉院長、ばりばりの現役である。
2度ほど講演会でご一緒したが、先生は演台を使わず、マイクを手にして舞台をぶらぶら散歩しながら(?)、聴衆に語りかけられる。時にサッカーのヘディングの格好をしたり、脚を高々と(!?)上げてみたり、お元気この上ない。その後で講演する私は、はなはだやりにくい。
聞けば、5年先まで講演を受けておられる由。それでは、年齢が3ケタとなるではないか。73歳ながら、私は、2年以上先の講演をお受けする自信はとても持てない。
秋山ちえ子さん、90歳。TBSラジオで45年間、連日コラム放送という世界的記録を打ち立てられた後、今はNHKラジオにゲスト出演しておられる。テーマは一任というから、よほど幅広い知識がないと続かない。
この間、吉川英治賞の贈呈式でお会いしたら、「堀田さん、私、振り返っても、70代が最高だったわ。心身ともに充実して、世の中のこともよく見えた。あなた、頑張ってね」と励まされた。そういえば、75歳の曽野綾子さんも、「年を取るにつれて、いい判断ができるようになってきてるわ」と断言されていた。
私のまわりを見まわすと、必ずしもそういう人ばかりではないから、やはり、人によるのであろう。ただ、日野原先生や、秋山さん、曽野さんらに共通するのは、強い好奇心である。人のこと、世の中のいろいろな出来事、他国のことなど、興味の対象はつきない。
日野原先生も曽野さんも、伝えたいことがいっぱいあって、話が始まると止まらないし、秋山さんは、「どうしてかしら?」と、ナゼナゼ攻撃で、私の専門である刑事法制についての質問でも、たじたじとさせられてしまう鋭さである。見習いたいと思う。 |
(京都新聞コラム「暖流」2007年5月13日掲載) |
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