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定期連載 朝日中学生ウィークリー
更新日:2007年6月12日
大学進学イヤがる勉強嫌いさんへ
  「うちの息子は勉強が嫌いで、高校までは我慢して行くけど、大学へ行くのは絶対いやだと言います。私は、今の時代、大学を出ていないとなかなか人から認められないわよと言うのですが、これって強制でしょうか?」
  講演のあと、小学6年生のお母さんから受けた質問です。
  「やはり、強制になるでしょうね」と私は答えました。「高校出であっても、自分の仕事をしっかりしていれば、人は認めてくれますから」。
 
  ○○大学に行く気にさせる秘策とは 
  お母さんは、残念そうな顔で、納得できない様子でしたから、私は、息子さんを大学に行く気にさせるための秘策を話しました。
  @「大学に行く、行かないは息子さんが決めること。どちらに決めても、その責任を取るのは息子さんだ」ということを、はっきりさせる。
  Aいいチャンスだから、「大学へ行くとどんないいことがあるのか、たいした影響はないのか」について、親やいろいろな人の例を引いて、息子さんとじっくり話し合う。
  B「息子さんが、どんなことをして生きていきたいのか」についても、息子さんの気持ちをよく聞く。
  Cさらに、「息子さんはどうして勉強が嫌いか。好きなことは何か」についても、静かに聞く。
  以上の4点です。どれも当たり前のことですが、親は自分の気持ちや意見を断定的に言うだけで、子どもの気持ちをゆっくり聞かないという傾向があるので、私は、秘策などというもったいぶった言い方で、アドバイスしたのです。
 
  ○○「好きなことは何か」を探して
  問題は、将来、大学に行くか行かないかにあるのではなく、今、勉強が嫌いだということにあります。どの科目もひっくるめて嫌いなのは、テストに向け、わけもわからないのに無理やり覚え込まなくてはならないからでしょう。
  教師や仲間は、テストの成績が悪いとダメなやつ扱いをするし、親は、テストの中身も見ないで、ただ成績が悪いというだけで文句を言う。それが一般的です。だから、プレッシャーが強くて、ますます勉強が嫌いになる。そこへもってきて、「大学へ行かないと一人前にやっていけない」というようなことを言われたら、たまらないでしょう。
  「好きなことは何か?」「どんなことをして生きていきたいか」
  その答えを探し、希望を持つことがすべての基礎になると思います。
(朝日中学生ウイークリー/2007年6月3日掲載)
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