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定期連載 暖流
更新日:2014年10月9日
動き始めた地域社会
 助け合い活動を広めるために全国をまわっていると、目に見えないところで地域社会がじわりと動き出していることがわかる。冷え込む一方だったご近所関係を、わずらわしくない形であたたかいものに戻そうという動きが、各地で芽生えている。そして、その中心には、必ず志を持った熱い人物がいる。
 たとえば、地区の全世帯728戸が加入して、地域の幅広い課題に組織的に対応するNPO法人「きらりよしじまネットワーク」をつくった山形県川西町の吉島地区。平成14年、地区公民館の公設民営化を機に、地域の課題に気付き、将来を憂慮した5人の住民が集ったのがはじまり。住民同士の話し合いを重ね、今では、自治(防犯等)、環境衛生、福祉、教育の四つの部会が、5カ年計画の下、それぞれに目標を立てて地域づくりに励んでいる。事務局には未来のリーダー候補である若者が登用されている。
 仙台市太白区では、地域活動をしているNPO等19の団体が、緩やかなネットワークを組んで地域の課題に対応している。「ほっとネットin東中田」が生まれたのは平成15年、地域の民生委員や福祉ボランティア10名ほどが地域課題について話し合ったのがきっかけで、約2年間、施設見学など勉強会を重ねてネットワークの結成に至った。
 豪雪地帯である新潟県津南町では、民生委員の「除雪機を買うのに県の補助金が出るぞ」という声に男性有志13人が結集、「大井平集落高齢者等支援会 暮らし安心サポーター はいこんちょ!」を立ち上げ、除雪支援だけでなく網戸修理、粗大ゴミ処分、見守りなどの活動をしている。
 鹿児島県鹿屋市では、打馬町内会長池撫i夫さんのリーダーシップが目立つ。町内の見守り対象者26名に対し40名前後が協力し合い、声かけやゴミ出し、電球交換などの支援をしている。居場所や徘徊訓練など、活動は多彩である。
 リーダーシップのある会長を得た自治会はいきいきしてくる。
(京都新聞「暖流」2014.9.28掲載)
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