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提言 福祉・NPO・ボランティア
更新日:2007年7月4日
日本一の助け合い
  全国レベルでは非常に有名なのに、地元の京都人には案外知られていないという活動が、福祉の分野でも、いくつかある。順次紹介しようと思うが、今回取り上げるのは、上京区の春日学区である。
  春日学区の名が全国に知られたのは、住民たちの緊密な助け合いのネットワークの素晴らしさである。
    まず目に付くのが、災害発生時の助け合いマップだ。地域の地図に1軒ごとの名前が記入してあり、そこに、身体の不自由な高齢者だけのお宅など、ご近所の助けを要する家には、色で優先順位がつけてある。この個人情報のうるさい時代、そんな地図を全戸配布していいのかと思う人もいるであろうが、名前の公表を拒む人のお宅は、地図上はガレージになっている。住民の知恵である。
  御所の東側に位置する春日学区には、消防車が入れない路地もある。昭和54年、そこの火事で1人暮らしの高齢者が亡くなった。それを機に、住民たちがつくったのがそのマップで、2年ごとに更新されている。
  助けを必要とするお宅の状況がわかると、そこは人情で、見守り訪問をしよう、配食もしよう、サロンの集まりに誘いに行こうなど、さまざまな動きがはじまり、それをうまくリードする人も出てくる。
  その人物が高瀬博章氏、83歳。NPO法人春日住民福祉協議会代表というといかめしいが、陽気で前向きで楽しいおやじさんである。彼のリーダーシップで、ふれあい広場、防災防犯教室、緊急通報システム、高度障害者支援、子どもの高齢者疑似体験、気楽に集まるミニケアサロンと、ご近所の助け合いは多方面に発展した。
  NPOの拠点は、河原町通丸太町角の元春日小学校。今は、地域包括支援センターと組んで、一人ひとりの高齢者を支える介護保険チームとボランティアらのネットワークが出来るところまで進んだ。私は、日本一の助け合いだと評価している。
(京都新聞コラム「暖流」2007年6月17日掲載)
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2007年2月9日 広い視点から労働改革を
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