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定期連載 暖流
更新日:2014年11月26日
優しい町
 わがふるさと、京都の人々の優しさ度は、全国からみてどの程度なのであろうか。助け合い活動を広める運動に23年間専念してきた身としては気になるところである。
 「京都府下の市や町、北から南まで結構盛んですねえ」と関東勢の仲間たちが、京都の助け合い活動を評してくれた。去る9月24日京都市の商工会議所で助け合いを広めるフォーラムを開催した時のことである。
 宮津生まれの私は、府北部の市や町で市民の自主的な町づくり活動が展開されていることを知っていたが、南部の市や町も動いていた。
 宇治市福祉サービス公社の川北雄一郎さんは、健やか生活塾などさまざまな仕掛けで住民の活力を地域に引き出してきた実績を踏まえ、そのノウハウを今度の介護保険改正にどう生かすか、プロジェクトチームをつくって検討していると語った。要支援者の生活を助け合いで支える新しい仕組みに早々と対応しようとしているのである。
 精華町で子どもたちを含めて認知症の人を支える体制をつくろうとしているのは、田中克博さん。この町の住人であるが、現役バリバリの大阪府幹部職員でもある。住む町でキャラバン・メイト連絡会をつくり、代表となった。彼らから認知症の話を聞いた東光小学校の子どもたちは、「皆が認知症の人に優しく、認知症の人でなくても優しい町になってほしいです」と、ういういしい感想を述べている。
 田中さんがモデルにしたのが綾部市。ここの社会福祉協議会は、早くから、認知症サポーターに加え、シルバーサポーター、ゴールドサポーターを設けるという独自の工夫をして、市民を学びから実践に引き入れている。彼らはそれぞれに地域のニーズに応じて傾聴ボランティア、高齢者と子どものふれあい、介護者の居場所、野菜づくりなど多彩な助け合い活動を楽しくくり広げている。
 その報告をした山下宣和さんのいきいきとした笑顔が最高であった。
(京都新聞「暖流」2014.11.9掲載)
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