更新日:2013年9月21日 |
要支援者の切り捨て? |
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「要支援者の切り捨て、ついに来たね」というのが、8月6日、社会保障改革国民会議の報告書が出た時のボランティア仲間の反応である。財政難で社会保障費の負担が厳しいから改革するという立場の国民会議だから、切り捨てと受け止めるのも無理はない。
しかし国民会議は「要支援者らに対する支援は市町村にやって貰う」という。
市町村は国以上に貧乏である。お金はどうするのか。
厚労省は「その分はこれまでどおり介護保険の費用から出すから切り捨てなどと誤解しないで」という。
確かに当分の間、介護保険分からの負担は続くであろう。しかし将来のことはわからない。高齢化はまだまだ続くから、国民の介護保険料負担にいつ限界が来るかわからないのである。
ここはボランティアの出番であろう。
要支援者に対するサービスが市町村に委ねられるのを機に、市町村は、それぞれの地域に合った軽度者支援の仕組みをしっかりつくってほしい。その際鍵となるのは、地域の住民の力をどれだけ引き出せるかである。ボランティアとして住民がその仲間である軽度者を支えてくれればくれるほど、財政負担は軽くなり、支援の効果は大きくなる。
何でもお金で解決しようという考えが間違いなのである。要支援者とか要介護1や2に認定されても、人は、自分の力でなんとか生活したいと願うものである。自分で出来ないことが出て来ても、周りの親しい人の力を借りて生きていきたいと考えるのが普通である。やる気のある人に「保険料と税金で人を雇ってサービスするからおとなしくしてなさい」というのは、人としての尊厳を無視した甘やかしである。自分でやれることをやらなくなった人はダメになっていく。家族や仲間に助けてもらいながら頑張っている人はいきいきとしている。
日本は、超高齢大国になっても、人々は助け合って楽しく生きている。そういう国にしたいのである。 |
(京都新聞「暖流」2013.9.15掲載) |
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