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更新日:2014年4月3日
「どうも」に「がばちょ」
 列の先頭に立って飛び跳ねるように踊っているのは、釜石市の幹部公務員。3月16日、復興応援地域通貨の集いは、平田どうもの会のにぎやかな釜石よいさから始まった。
 さわやか福祉財団がお奨めして被災4市町で始まった地域通貨は、それぞれに現地の会が起ち上がり、商店街も参加して、まわり始めている。
 いちばん活発なのは南三陸町の笑(しょう)。会員は、10の仮設住宅に広がり、600名を超えた。
 地域通貨の裏には、「誰が誰にいつどんな手助けをしたか」を略記するようになっている。たどたどしく書かれた「買い物つきそい」などの文字を見ると、避難所と仮設の暮らしが3年を越えるおばあちゃんのけなげな日々が目に浮かぶ。「洗濯物とり入れ」が結構あるのは、早朝洗濯物を干すと早々に仮設から働きに出るからだろう。
 集いでは、こもごも、地域通貨で新しい絆が生まれ、助け合いが深まっていく喜びが語られた。
 「仮設から出て人と話すのが億劫で閉じこもっていたが、これ(地域通貨)を使って買い物を頼んでみたら、喜んでやってくれて、それから少しずつ外に出られるようになった」(釜石どうもの会)。「おやつ作り、花の水やり、折り紙などいろいろ人に役立つことができて、毎日が楽しい」(大船渡市カメリアの会)。
 「高校生に助けてもらってがばちょ(地域通貨)を渡したら、自分へのご褒美になると喜んでくれた」(大槌町がばちょ協議会)。
 「肩もみとか髪を染めてとか頼まれるから、仮設の部屋の中まで上がって話す関係になった」(南三陸町笑顔の会)。
 助け合いに使われた地域通貨は、地元商店街で額面相当の買い物に使えるが、商店街の人たちも「地元のつながりが広がる」と楽しそう。使われた地域通貨は寄付者へ送っているが、「私の寄付したお金の使われ方がこんなによく判ってすごくうれしい」。今のところいいことずくめである。
(京都新聞「暖流」2014.3.30掲載)
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