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提言 生き方・その他

更新日:2011年2月20日

ヒミツの愛好番組 
動物を見て考えるヒトの生態学 「ダーウィンが来た!」
サルの研究で世界的に有名な故今西錦司博士は、晩年、「サルを研究しても人間の研究には役立たない」という"悟り"の境地に達せられたという(立花隆『サル学の現在』平凡社)。
 NHKの動物番組「生きもの地球紀行」の熱烈なる視聴者として、私は今西博士に同情した。「かわいそうな博士。生きもの地球紀行を見てれば、いろいろ学べることがあったのに。サルばっかり追っかけたから、そんな結論になっちゃったんだよ」。
 かつては月曜日の夜に放送されていたこの番組は、「地球!ふしぎ大自然」を経て、現在は日曜日の夜7時半から「ダーウィンが来た!」というタイトルで、総合テレビで放送されている。見られない時は、それに続く大河ドラマと合わせてビデオに取って見ているが、お目当てはダーウィンのほうである。
 ライオンやサルの子殺しは動物行動学界の大発見で、「利己的遺伝子」説へと理論は革命的発展をしたという。
 しかし、NHKの動物番組は、軽々と(というのは見る側の感覚で、撮る方が大変な苦労をされていることは、十分想像している)子殺しのシーンも映し出している。
 それに、メスを口説くオスたちのご苦労なこと。鳥は着飾って踊り、虫はせっせと餌を献上し、魚は飛び上がって力を誇示し、哺乳類は命を賭けて支配権を争う。
 勝手に学習した知識を基に、「日本人のオスはもう少し頑張らないといかんのじゃないの」などとつぶやきながら、楽しんでいる。

放送批評懇談会発行「GALAC」2011新年号掲載  

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