更新日:2010年12月26日
親と先生は人生の先輩
子どもの人間教育の責任者である親と先生は、子どもに対し、どのような立場をとればよいであろうか。
教え込むのだから、支配者、コントローラーの立場に立つのが当然だろうという考え方が、伝統的にある。
昔型の先生に多いし、文部科学省や教育委員会にも、このような感覚の人が多いように見受ける。
しかし、支配型の先生の多くは、陰にまわると尊敬されず、嫌われているし、教室で公然と反抗され、ひどい侮蔑の言葉をあびせられることもある。
親も、昔の家父長型おやじは支配型であった。今は経済的に扶養している優越的地位でかろうじて子どもをコントロールしようとしているが、子どもから「ウッセー」などと無視されている親が少なくない。
子どもを納得させないで行う支配は、人間教育上有害である。
一方、子どもの個性尊重を旗印に、子どもに盲従する親がいるし、そこまで行かなくても、子どもと対等の立場をとって、友だちのような関係になる親が増えている。子どもが30、40になってもこのような関係でいる親子も、珍しくない。
先生にも、子どもを叱れず、べたべたとくっつくような関係がよいと錯覚している人を見受ける。
子どもは楽だから文句は言わないが、成長しない。有効な人間教育ができていないのである。
子どもは、自ら成長する力を持っているから、その成長を支配して型にはめ込んではいけない。生きる力を失ってしまう。
しかし、子どもは、社会の中で生きていくしかないから、社会の中で生きていけるよう、その成長する力を上手にリードすることが必要である。リードして社会に適合する能力をつけないと、生きる力を失う。
そこで、私のオピニオン(第4号となる)は、「親と先生は人生の先輩」である。
生きる力を失っていない子どもは、自分のために学ぶ意欲を持っている。人生の先輩として、その意欲に応え、モデルを示すのが、最善の人間教育であろう。
(日本教育新聞社発行「週刊教育資料」No.1142
[マイオピニオン]2010年12月6日掲載)
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