政治・経済・社会
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提言 政治・経済・社会

更新日:2010年9月22日

ファンドレイジングの鍵
 あしなが育英会の会長玉井義臣さんが、「だから、あしなが運動は素敵だ」(批評社)を出版された。その出版記念会は、諸国の多彩なメンバーでごった返したが、玉井さんの業績を紹介する映像を見ていた会場が、「オゥ」と声を挙げてどよめいた。
 「これまでに集めた寄付金 750億円」
という文字が浮かび上がったのである。
 とてつもない数字である。
 なぜそれだけ集められたのか。
 答えは彼自身に語ってもらうしかないが、寄付する側の気持ちを言えば、あしながさんの寄付は、もっとも気分のいい寄付だということである。フォスタープランも、世界中で大きな業績を挙げている。
 自分の子供の養育には、あしながさんへの寄付の何百倍のお金を出すが、これはいい気分にはならない。感謝してもらえないお金だからである。
 それに、自分の子どもが成長しても、自分が出したお金のせいだとは認識できない。子どもは自分の力で成長したと思っている。
 その点、あしながさんは、全面的に感謝される。そして、寄付対象の子どもが社会的に成長すると、自分の寄付が貢献しているのだと思うことができる。対象の子どもたちもそう思っている。
 だから、うれしい気分になる。
 ファンドレイジングの鍵は、感謝と成果なのだろう。

(「ファンドレイジングジャーナル」第5号「巻頭の言葉」2010年9号掲載)

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