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定期連載 朝日中学生ウィークリー
更新日:2006年10月5日
親に腹が立ったらどうする?

  あなたは、自分の親に腹を立てたことはありませんか。
  あって当たり前です。親の方も、あなたに腹を立てたり、いやだと思ったりしています。完全な人間はいないのだから、一緒に暮らしていたら、どんなに大好きな相手でも、気に入らないことを言ったり、行ったりした時は、腹が立ちます。好きな相手だからこそ、よけい怒るということもあります。

  ●●子は言いたいことを言えず反抗
  そういう時、親の方は、わりあい気楽に、思ったことを言います。わが子をいい子に教育するのは親の責任だと考えているから、言いやすいのです。逆に子どもの方は、言いにくい。言いたいことがあっても、それを言うとますます親が怒ることを経験で知っているから、むくれた顔で黙るようになります。そして、言いたいことが言えず、たまりにたまって我慢が出来なくなると、親を無視して逃げるようになります。子どもによっては、親が何か言おうとすると「うっせえ、だまれ」などと怒鳴って、親に反抗するようになります。それで親がおびえると、さみしくなって、わざと親がいやがる行動をして様子を見ます。
  しかし、親に反抗するのは、実は親が好きで、かまってほしい気持ちが心の底にあるのだから、まだ救いがあります。こわいのは、言葉で反抗をせず、いきなり暴力を振るったり、家を見捨てたりしてしまう子どもです。
 
  ●●一人二役の手紙で考えを整理
  そんな行動に出る前に、ロール・レタリングをしてみるという方法があるのを知っていますか。
  まず、親(たとえば母親)に手紙を書き、本音をぶつけるのです。しかし、その手紙を渡すのでなく、今度は母親の立場に立って、自分に返事を書きます。少し母親の気持ちを考えてみてから書く方がよいでしょう。はじめの返事は、多分「あなたは中学生だから勉強するのは当たり前。それをしないから文句を言うのです」など、平素の口ぐせを文章にしたものでしょう。これに対し、あなたが本音で反論する。それに対する母親の返事を考えて、あなたが書く。何回か一人で往復の手紙を書くうちに、あなたは、母親のもっと深い気持ちに気付き、自分の考えを整理していくでしょう。
  この、一人二役の手紙の交換を、いじめの相手とやってみてもよい。あなたの理解が深まることで、相手が知らないうちに、二人の関係がよいものになります。

(朝日中学生ウイークリー/2006年10月1日掲載)
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