更新日:2011年7月7日
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24時間巡回サービスとふれあい
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日本中が被災地を向いているが、被災していない地域も、立ち止まっているわけにはいかない。福祉は今、大きく転換しながら、前進する時である。
目指す方向は、被災地と同じく、地域包括ケアである。
地域包括ケアは、最後まで住み慣れた地で、自分らしく生きることを支えるケア(医療、介護、生活支援、いきがい、ふれあい)である。それは、すべての人が尊厳ある暮らしを貫くためのケアとして、現段階で考え得る最高のケアである。もっとも理想的であって、しかも十分に実現可能なものでもある。
その実現に向けて、大きく前進したのが、従来の滞在型の介護から、必要な時に訪問する介護(いわゆる24時間巡回型介護)への転換である。
その転換に向け、今年から、全国数十の地域で試行が始まるが、私たち(さわやか福祉財団とそのブロック、これに所属するインストラクター)は、可能な限り、その試行に参加しなければならない。せっかく介護の仕方が尊厳の確保に向けて前進しても、施設ではなく自宅で暮らせるようになった重度要介護者たちが、自宅でふれあう人もおらず、自分のしたいこともできず、さみしい毎日を送るようになったのでは、施設で最後を迎えた方がまだよいということになりかねない。
尊厳は、医療・介護といきがい・ふれあい活動が包括的に提供されてはじめて実現する。24時間巡回サービスは、その課題を、私たちに真正面から突き付ける。
私たちは、しっかりその課題に応え、世の中に、私たちの活動の意義を実証してみせなければならない。
私たちの力が問われるのである。 |
(『さぁ、言おう』2011年7月号)
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