政治・経済・社会
(財)さわやか福祉財団ホームページへ
 
定期連載 挑戦−幸福づくり
更新日:2012年10月11日

復興推進の重点策

 本誌発行の頃には、政府の復興推進委員会の中間報告が公にされていると思われる。
 復興推進委員会は、復興の基本的な方針や方策を示した復興構想会議の後身であって、構想会議と同じ五百旗頭真氏を座長に、本年3月から4回の審議と何回かの現地調査を経て中間報告をまとめた。今後は各年度末に、年次報告をまとめる予定である。
 中間報告ではあるが、そこには復興の重点的課題について、方策が示されており、とりわけ被災地の自治体には、今後復興を進めるに当たって積極的に取り入れることが期待される。
 報告は、まず「地域づくり」について、住民に地域づくりの情報を十分に伝え、「キャッチボール方式」で意見(町づくり案)を交換し、住民の意向を最優先に復興を推進するよう望んでいる。
 地域づくりの過程では、ハード面だけでなく、地域包括ケアの在り方など、ソフトの視点を取り入れるべきだと述べ、「女性や若者、子どもなど多様な声に耳を傾けることを忘れてはならない」としている。
 私たちの頑張りどころである。
 報告は、次に「くらしの再生」をテーマとし、「@被災者支援」「A復興を契機とした地域包括ケアの構築」の2項目を取り上げている。
「復興を契機として、将来の少子高齢化のモデルとなるような、地域包括ケアの在り方を一体的に検討し、実践を試みる時期を迎えている」という認識を示し、「地域の多様な居住ニーズに対応した災害公営住宅を、地域の福祉・交流拠点とする事例の共有」など、地域包括ケアの具体化について述べるとともに、コンパクトな地域づくりの重要性を特記している。
 私たちが進めてきた方向が確認されているのである。
 報告は、続けて産業・雇用などの課題についても述べているが、総じてまだまだ掘り下げが弱い。第三者の眼からみれば、国の作業の遅さや不十分さに対する指摘や提言が欠けていると批判が出るであろう。
 今後も正すべきは正す努力を続けなければならないが、私たちとしては、報告に使えるところは使い、自治体に提言する際にこれを存分に活用することが重要である。
 委員会では、現地調査でご一緒した清原桂子委員、横山英子委員、牛尾陽子委員らが、くらしの復興について積極的に発言され、同調するところが多かった。この委員会でも、特に「くらし」については、女性の意見が欠かせない。
 年次報告では、モデル事例として、私たちが取り組む地域の良い事例をたくさん盛り込んでほしいので、復興応援をしている仲間は、どんどん情報を寄せて下さい。

(『さぁ、言おう』2012年10月号)

バックナンバー   一覧へ
 [日付は更新日]
2012年 9月11日 意見すり合わせの時期
2012年 8月11日 前に進むしかない
2012年 7月11日 大槌町の前進
2012年 6月14日 地域包括ケアのイメージ
2012年 5月11日 いろんな壁が出てくるが
  このページの先頭へ
堀田ドットネット サイトマップ トップページへ