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定期連載 挑戦−幸福づくり
更新日:2013年1月10日

原点に足を踏んばる

 新しい年に、さわやかな新しい風が吹くのだろうか。
 そうはいかないだろう。乱れて複雑な風が突然吹き荒れ、戸惑うことの多い年になるかも知れない。
 そんな時、私たちは、しっかりと原点に足を踏んばり、行く先を見失わないようにしたい。威勢のいい、自分勝手な甘い話につられて、みんなで悲惨な戦争の蟻地獄に転がり落ちてしまった体験を、忘れないようにしたい。
「自分たちだけよくなろう」という話は、総じてうさんくさい。誰かを置いてきぼりにして、自分たちだけのことを考えても、まず、ろくなことにならない。誰もが頑張って幸せになれる道でなければ、必ず隊列は乱れ、騒ぎが起こり、やがてみんなが泥沼にはまってしまう。
 私たちは、自分のことだけでなく、人のことも想う努力を積み重ねていきたい。
 今、東北被災地の方々は、仮設の結露に悩まされているのではなかろうか。
 今も北朝鮮の子どもたちは、独裁政権にだまされて、餓死寸前の状態を耐えているのではなかろうか。
 万里の長城で倒れた日本人を救ってくれたような中国人は、実は中国全土にいるのではなかろうか。
 ミャンマーは? パキスタンは? アフリカは? どこに住む人たちも、幸せになりたいと頑張っているだろう。
 小山内美江子さんは、杖をつき足を引きずりながらも、パキスタンの子どもたちを小学校で学ばせるために、若者を引き連れてパキスタンに出かけるし、玉井義臣さんは、パーキンソン病のため車椅子に乗りながら、アフリカ諸国の子どもたちを国を引っ張る人材に育てる道を開くため、世界中を飛び回っている。
 厳しい環境に置かれた人を想い、幸せにしたくて、いても立ってもおれないのである。 だから、自分の心もいきいきと張りつめ、身体の少々の不具合など吹き飛んで、元気いっぱいの日々を送っておられる。
 人のことを想うというのはそういうことである。
 小山内さんや玉井さんと同じことはとてもできないが、自分でできるわずかな範囲で活動を支えることによって、自分の心を満たしたい。
 同じ日本で新しい自分の運命を切り開こうと頑張っている大震災の被災者を、自分なりのやり方で支えることによって、日本の社会を正しい方向に進める原点を、自分の身体と心で確かめたい。 
 我欲にとらわれ、他者を傷つけることを意に介さないような誤った道に日本を進ませない。
 これを年頭の大きな誓いとしたい。

(『さぁ、言おう』2013年1月号)

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2012年11月10日 住民の声を聞く
2012年10月11日 復興推進の重点策
2012年 9月11日 意見すり合わせの時期
2012年 8月11日 前に進むしかない
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