5年前、京都で開いた居場所普及サミットでは、会場に熱気が立ちのぼる感じがした。左京区にハルハウスを開いた丹羽國子さんや恒河沙コミニテ食堂(上京区)の福島美枝子さん、ハイ・どうぞ(中京区)の小林敬子さん、よっとーくりゃす(南区)の増田隆子さんら居場所を先達した女性たちが意欲あふれる思いを語り、会場からは「堀田さん以外の男性はどこに隠れているの?」との気合いが入った。
昨年厚労省が着手した新地域支援事業では、地域支援の大きな柱として、居場所に当たる「通いの場」を地域に設けることにした(「地域介護予防活動支援事業」という)。
ところが京都市は、すでに3年前から、居場所づくり事業を始めている。門川大作市長肝いりの事業で、「高齢者どうし、また高齢者と若者や子ども達との交流を図る」ための居場所の設置者に、整備費20万円以内、年間1万ないし7万円の運営助成金を支払うという。昨年末現在の開設数は112となった。600の居場所がある新潟市には及ばぬものの、開設者は地域団体や商店街、個人など多岐にわたり、勢いがある。
行政が居場所に着目するようになったのは、厚労省の事業名にあるように、それが介護予防の効果を持つからであろうが、住民側からすれば、いくつになっても仲間と気楽に集まれる場があって、そこで楽しく過ごせればいうことはない。
実際、全国のいろいろな居場所を見て、長続きしているのは、まず、それぞれが何か役割を持って、楽しく参加しているところである。人はどんな状態になっても、誰かの世話になるよりは、誰かの役に立っている方が元気が出るのだな、と実感する。それに、お年寄りは子どもとよく合う。高齢者だけなどとタテワリにせず、地域の誰でも参加できる居場所が長く続く。
行政の支援を受けて居場所を設ける方は、常に周りの方々に積極的に働きかけて、いろんな人が来るように頑張ってほしい。みんなの居場所だからである。
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