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定期連載 学びの時評
更新日:2006年1月31日
安全の知恵 まず子どもから
  子どもたちの通学を守る運動は、その後も各地でしっかり続けられているであろうか。
  活動がうやむやになっていけば、子どもたちが大人たちの責任感に不信の念を持つし、継続していればいるで、「見ず知らずの大人たちは信用できない」という観念を日々子どもに植え付け、さらに、わが身の安全を人まかせにする依存心を醸成するのではないかと心配である。
  それはやむをえないという考えもあろうが、私は、安全を確保しつつマイナスをプラスにする方法に早く切り替えてほしいと強く願っている。
  その方法というのは、まず子どもたちに、自分たちの身の安全を守る方策を考えさせることである。年少から年長まで、家が同じ方向にある子どもたちのグループで、なるべく一人にならず、助け合って安全に通学できる方法を討議させる。
  その過程で、子どもたちは共助の精神を身につけるであろうし、上級生の帰宅時間を待つ下級生が、学校において時間をどのように有効に使うかなどについても、知恵を出すであろう。それが、共に遊ぶことによる生きる力の涵養(かんよう)につながれば、これに越したことはない。
  そして、どうしても子どもたちだけでは守りきれない危険な個所については、時間と場所及び保護の対象となる子どもを特定して、大人に支援を求めることにしてはいかがであろう。
  要請された大人は、ボランティアとして一肌、二肌脱ぐのがよい。元気老人が地域に参加するチャンスである。子どもたちは、依頼に自発的に応じてくれる大人たちの善意に、深い感銘を受けるであろう。その信頼感と、自分たちが主体となって安全を確保した自信は、人間形成に大いに役立つと信じる。
  ただ、より大きな問題は、帰宅後の子どもの安全をどう確保するかである。もし、子どもだけの外出を禁止したりすれば、子どもの心身の成長は大きく歪(ゆが)められる。
  根本的には、地域が一体となって、子どもたちが安全に、いきいきと遊べる地域社会を創(つく)り出すほかないと考える。
(読売新聞掲載/2006年1月23日)
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