更新日:2010年10月20日 |
教育は親と先生の協働作業 |
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子どもの人間教育をする責任は、親と先生にある。
つまり、親と先生は、人間教育という同じ目的の作業をするのだから、協働関係にある。
協働して作業をするときは、協働者は、作業の具体的なやり方や役割分担などについて十分な打合せをし、その後もたえず情報交換をしながら役割を果たしていく。これが一般的には当然なやり方である。
ところが、子どもの教育については、このようなやり方はされていない。保護者会や家庭訪問においてわずかな情報交換が行われるだけで、およそ個別の子育て戦略会議などは開かれない。
かつて学校が知識を授けるだけの役割しか持っていなかった頃は、それでよかった。しかし、人間教育が学校の基本目標となると、そうはいかない。
しかも、学校側は、人間教育については、知識教育と違って方法も評価も確立したものを持っていない。一方、親の側は、方法どころか教育の義務があるという認識すらない人も少なくない状況である。
どうすればよいのか。
結論は、子どもがどんな子になりたいのか、親は子どもをどんな子に育てたいのか、そのために親と先生は、何を心掛けているかなどを、各種のコミュニケーションツールを用いて、可能な限り話し合っていく、また子どももそれに加わるという基礎的作業を積み重ねていくほかないということであろう。
その前提として、親と先生が協働者であることの自覚が必要である。親が先生に一方的に教育責任を押しつけたり、親が子どもの前で先生をバカにしたりしていたのでは、協働作業は成り立たない。それどころか、子どもの人間的成長を歪め、将来に大きなマイナス効果を及ぼす。
親に教育の協働者としての自覚を促す作業は、社会全体で取り組むしかない。そして、その作業の旗振りは、地方の首長の先導のもと、教育委員会と学校や地域のリーダーが一体となってやる必要があるだろう。
オピニオン第3号は「教育は親と先生の協働作業」である。 |
(日本教育新聞社発行「週刊教育資料」No.1133
[マイオピニオン]2010年9月27日発行号・掲載)
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