更新日:2014年4月15日
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地域と協働する喜び |
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要支援者に対する生活支援を、市区町村が受け持つことになった。地縁団体やNPO、地区社協などが、連携して助け合い活動をする中で、その生活支援も引き受けることになる。これまでも、日常生活支援総合事業とか、安心生活創造事業などを実施してきた市区町村は、NPOや社協などの自律的な事業を後押しするやり方を学んだと思うが、さてその感想はどうなのか。
「楽しかったですよ」「やったという感じで、市民の感覚が判りました」などと言ってくれるいきいきとした公務員もいるが、疲れた様子で無表情、無反応な公務員もいる。聞いてみると、心構えの違いに気付く。真面目で、言われたことを誠実にこなし、住民に公平公正であることが絶対の任務だと信じているような方は、おおむねお疲れである。一方、どんどん住民の中に入って一緒に酒を飲み、やれたらバンザーイという感じの人は、楽しそうで饒舌である。住民にも評価されている。
真面目な公務員の心が壊れないように、うまくやった公務員のやり方をまとめておきたい。
事業を仕切ろうとしない。
示されたガイドラインを守らせることだけを考えていると、相手はたちまちやる気を失う。相手がやりやすいことが第一。サービス提供はできるところからやっていく。完璧主義、一律公平主義を捨てる。これまでの申請主義は、一見公平なようで、申請できない人を見捨てていることに気付いてほしい。
金で事業を進めようと思わない。
補助金、助成金で事業を進めるのは、これまでのやり方。地域の本物は、志で動く。気脈を通じ、思いを同じくしてはじめて力を出してくれる。
相手に心置きなく情報を提供する。
決裁前の生の情報を提供し、本音で語り合わないと、気持ちが通じない。信頼関係が大事である。
本物を選ぶ。
NPOにも地域にも、きれいなことを語りながら、金と地位(ちっぽけな地位にしても)が狙いの小悪人がいる。関わると失敗する。
地域の力を生かす道は、権力の快さを捨て、人間として生きる充実感を獲得する道である。そこで、あなたはいきいき公務員に生まれかわる。
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(「厚生福祉」2014.4.8掲載)
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