全国からインストラクターが集って、ふれあいボランティアを広めるための戦略を協議する本年度の会議は、6月29日から3日間、横浜で開催した。
被災地が、地域包括ケアの町への復興を掲げてくれるよう、バスツアーや居場所の設営などにより、被災者の意思形成を支援していくこと、県外避難者のふれあいを支援すること、被災地以外の地域でも、ふれあい、いきがいを含む地域包括ケアの実現を目指すことなどが、これからの運動の方向として確認された。そして、各地におけるさまざまな具体的方法が紹介され、情報が共有された。
また、福島のインストラクター小林悦子さんの涙の訴えに応じて、外出を抑制され、ストレスを抱え込んでいる子どもたちを、夏休み期間に受け入れ、のびのびと暮らしてもらうプログラムも、何名かのインストラクターが実現することとなった。
いつもどおり、前向きで、いきいきとして「家族のようなつながり」(大会をお世話頂いた南関東ブロック島津禮子さんの提称)のある会議であった。
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ひとつ、これまでの会議と異なる現象があった。
それは、財団に対して、被災地支援に関する情報をくれなかったという指摘が何名かの方からなされたことである。その底流には、「もっと応援したかったのに、どこにどうしていいかわからず、もどかしかった」という多くのインストラクターの方々の思いがあるようにうかがえた。
確かに財団では、インストラクターと協働して緊急事態における人的、物的な支援を行おうという意見もあったが、私の判断で、それらは、個々の職員やインストラクターの情報による個別の支援活動に委ねることとした。そして、財団自身の緊急支援活動も、個別の人脈を通じて行った。
そのため、もの足りない思いをした人々が出ていることは、理解できる。情報の面や組織的対応の面でもっと適切な対応ができなかったかという点は、重要な宿題として受け止めたい。
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今は、復興支援の時である。これから、何年も続くことになる。
復興については、早い時期から、地域包括ケアの町への復興を提言、応援の姿勢を整えてきている。
この応援は、目先の緊急事態を救援する活動と異なり、わかりにくいし、長い期間にわたる、地道な努力が求められる。
「被災地に、いきがい、ふれあいを含む地域包括ケアを実現することによって、尊厳をもって最後まで住み慣れた町に安心して暮らしていけるような町に復興してほしい。それによって、厳しい震災に遭遇した方々が、最高に幸せになれる町に住んでほしい」という強い願いを持ち続けなければ、応援は続けられないであろう。
しっかり情報を提供していくので、インストラクターが熱い気持ちを持ち続け、私たちと協働して応援を続けていってほしいと願っている。
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