更新日:2006年9月22日
「尊厳を支えるネットワーク」
社会保障のサービスは、尊厳を支えることを究極の目的
としている。
なぜなら、尊厳をもって生きることが人間のあるべき姿であるところ、文化国家における社会保障は、人間があるべき姿で生きることができるよう支えるものでなければならないからである。
* * *
人の尊厳を支えることが究極の目的であるということは、医療も福祉も年金も、その最終目的は同じであるということである。
ということは、
医療も福祉も年金も、連携しつつトータルとしてその目的を達することが必要
であるということを意味する。言い換えれば、利用者の尊厳を支えるためにトータルとしてもっとも効率的なサービスを提供できるよう、ネットワークを組まなければならないのである。
* * *
ところで、人の尊厳とは、その人がその人らしく生きることであるから、その人の精神的な欲求が大きな要素を占める。
それぞれ個性を異にする人々の精神的な欲求を満たすのは、医療や介護のプロよりも、自由な精神と人間愛で人に接するボランティアや家族、近隣の仲間などがこれに適する。
ネットワークには、インフォーマルサービスを行う人々が加わっていることが、尊厳を支えるために不可欠
なのである。
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ネットワークは、個々の対象者ごとに、その必要とするサービスを提供する人々がこれを組むのでなければ、尊厳を支えるものにならない。
ネットワークの基本的因子は、個人別ネットワーク
である
(
図面上段参照
)
。
* * *
個人別ネットワークを有効に機能させるためには、サービス提供者たちがネットワークを組む必要がある (
図面下段参照
)
。これらサービス提供者のネットが、個人別ネットを組もうとする人からの要請を受けて、適切な人を派遣する仕組みが必要である。要請するのは、利用者本人、ケアマネジャー、ボランティアなど、誰でもよい。
地域包括支援センターと市町村保健センターが、その情報を仲介する役割を果たすことが望まれる。
((社)全国保健センター連合会発行 「Monthly 保健センター」2006年9月号掲載)
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