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定期連載 暖流
更新日:2017年4月17日
市民が動き出した

 京都市でも、要支援者などの生活を助け合いで支えようという介護保険制度の新しい事業が、この4月から実施される。全国の市区町村の動きを見ると、従来のヘルパーさんにこれまでより低価格でサービスさせる事業所が多く、住民のボランティアが助け合いで要支援者などの生活を支える形のものは少ない。

 それは当たり前といえば当たり前で、助け合いは雇用(仕事)と違って志でやるものだから、新事業が実施されたからといってハイハイと一挙にやれるものではない。

 そんな中で京都市に二つの嬉しい動きがあった。

 一つは介護保険に関係する五つの非営利組織が「よりよい介護をつくる市民ネットワーク」を結成したことである。

 呼びかけた「高齢社会をよくする女性の会・京都」の中西豊子さんは切れ味鋭い市民活動家であるし、NPO法人「きょうと介護保険にかかわる会」の梶宏さんは異色の元京都市幹部で、退職後ずっと市民活動をしてきた方である。

 新しい事業は、住民主体の活動の幅を広げると共に、介護保険料の高騰を抑えるためのものだから、従来の「何でも行政がやれ」流の議論はそぐわない。深く広く実態を見極めて、よりよい介護をつくる提案が出るものと期待している。

 二つは、京都市が、新しい事業で助け合い活動を行う方たちへの研修を行ったことである。京都市老人福祉施設協議会が受託して2日にわたる研修を5回実施した。

 この事業の助け合いは、要支援者などのお宅に上がって調理や掃除も行うのだから、それぞれの気持ちに添う心掛けや基本的技術などをしっかり学び、助け合いになって質が落ちたなどといわれないようにしたい。それどころか、時間をかけて、相手のできることを楽しみながらやってもらうなど、助け合いの長所を生かす質の高いものにしてほしい。それはこれまで助け合いが、普通にやってきたことだからである。

(京都新聞「暖流」2017.4.11掲載)
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